InstagramなどのSNSの発展とともに、写真によるブランディング効果に注目が集まっています。
特に、社長や社員のプロフィール写真は強い訴求力を持ち、広報や営業の効果だけでなく組織活性化にも直結します。
しかし、ブランディング効果を得るためには顔写真を出せばよいというものではありません。
ブランド戦略通りのイメージが伝わる写真を準備する必要があります。
この記事では、プロフィール写真をブランディングすることの重要性やメリットについて解説します。
ブランディング写真とは
まずはブランディングについて解説します。
ブランディングとは、さまざまな活動によって企業が持つイメージを広く世間に認知させることです。
例えばiPhoneなど数々の製品を販売する「Apple」は企業名だけで「洗練されたデザイン」「シンプル」「直感的な操作性」というブランドイメージを連想させます。
また、ロゴや商品を一目見ただけで「これはApple社のものだ」と多くの人が認識します。
これは、ブランディングによってブランドイメージを定着させ、認知が拡大した結果です。
その他にも、企業の取り組み自体がブランディングのツールとして使われている企業も存在します。
今回のプロフィール写真もブランディングツールとして、手軽でありながらとても効果が高いものです。
イメージを認知させることを目的とした写真は「ブランディング写真」と呼ばれており、
ブランディングでは特に重要なツールといわれています。
なぜなら、脳が受け取る情報の約60%以上は視覚を通して得られるからです。
ブランディングされた、たった1枚の写真はその企業やブランドのイメージを瞬時に顧客やブランドパートナーに伝えることができるツールとなります。
写真はパーソナルブランディングの強力なツール
ブランディングのなかでも、社名や看板ではなく個人がクライアントから指名されるように社員や社長をブランド化することを
パーソナルブランディングと呼びます。
ブランディング写真は、パーソナルブランディングを構築する際の強力なツールです。
ブランディング写真というツールを使えば、他者からの印象や認識といったイメージを、こちらから主体的に作り上げ、コントロールすることができます。
パーソナルブランディングで重要なポイントは、自分の印象がどのようにあるべきか、他人からどのように認識されるべきかを、どのような成果を得たいのかを設計した上で作り上げなければなりません。
また、作り上げたブランドイメージを、企業の商品やサービスに合わせる必要もあります。
さらに、作り上げたブランドイメージは知ってもらわなければ、ターゲットに訴求することはできません。
近年は、インターネットを利用してブランドイメージを広く周知するケースが増えています。
ブランディング写真はあらゆる媒体と相性が良いもので、コーポレートサイトやLPだけでなく、特にInstagramやTwitterといったSNSとの相性は抜群です。
これらのSNSを活用することで、よりターゲット層にブランディング写真を拡散させてブランドイメージを認知させることが可能となります。
他にも、名刺・自社商品・広告などにブランディング写真を使えば、それらはパーソナルブランドの認知を広める媒体となるでしょう。
ブランディング写真の例
ブランディング写真をうまく使って、パーソナルブランディングを成功させた会社の事例をご紹介します。
「ブランド王ロイヤル」の森田勉さんのプロフィール写真は、ブランディング写真としてとても優れています。
独特の髪形をいかして自身をキャラクター化させ、企業ブランドをターゲット層だけでなく、メディアや一般層にも幅広く周知しました。
「アパホテル」の元谷芙美子さんは、独特のファッションスタイルによって社長自らをキャラクター化させ、ブランディング写真として利用しています。
ブランディング写真は、あくまでブランド戦略に基づいた見せたい姿での印象をもってもらうことが大切です。
上述の例のような個性を打ち出すことが、ブランディング写真に必ずしも必要なわけではありません。
むしろ、顔が隠れていた状態でも、その雰囲気が伝わり、記憶に残れば、成功ともいえます。
もちろん、単純に顔を知ってもらえるということは、それだけで信頼が得やすくなるのも事実です。
特に、ECサイトを運営している経営者にとって、顧客に顔を知ってもらい、親近感を持ってもらうことは大きなアドバンテージとなるでしょう。
親近感から生まれる安心感は、購入へのハードルを下げる効果があるためです。
実際、社長や社員のプロフィール写真に、ブランディング写真を使うようにしてから、売上が伸びたという会社は少なくありません。
例えば、スーパーなどで野菜を購入しようとするときに、生産者の顔が見えると安心して購入できるという心理と同じです。
ブランド形成のために注意したいポイント
写真は、一見するだけで人の気持ちを惹きつけ、コンテンツに興味を持たせるだけの力があります。
ブランディング写真として成果につなげるためには効果が高く、それでいて、ブランドを意識した写真を選ぶ必要があります。
どれだけ反響が大きかった写真であっても、それがブランドイメージとかけ離れたものである場合は要注意です。
短期的に大勢の人を呼び寄せても、中期的にブランド戦略から離れた施策に依存してしまったり、長期的にブランドイメージに致命的な傷を付けてしまうことがあるからです。
例えば、SNSでは「バズる」ことだけを目的にしてしまうと、誤った企業イメージが多くの人に認知されてしまいます。
一度定着した誤ったブランドイメージを、払拭することは極めて困難なため注意が必要です。
そもそもブランドイメージの定着は短期間では難しいもの。
正しいイメージを認知させるためには、企業イメージを意識したブランディング写真を、その企業に相応しいコンテンツで発信していくことです。
長期的な視点で運用を行うことでブランド力が強化されていきます。
プロフィール写真をブランディングするメリット
プロフィール写真のブランディングをすることの重要性をお伝えしましたが、ブランディング写真はブランドの認知を広げること以外にも企業の利益となるメリットを得られる可能性を秘めています。
代表的な4つのメリットについて解説します。
①企業やブランドの強みを伝えることができる
ブランディングされたプロフィール写真では写った社長や社員が、企業やブランドの魅力を伝えてくれる存在になります。
これはブランディングによって、企業の魅力やブランドイメージと認識が共通化されているためです。
例えば、「親しみやすさ」を強みにしているサービス会社の場合、プロフィール写真に映る社員から「親しみやすさ」を感じることができれば、その企業を「親しみやすい企業」と認知してくれることになります。
企業のイメージは消費者やクライアントが選ぶ際の重要項目です。
ブランドが認知されていることは、手に取ってもらいやすかったり、記憶に残りやすくなるため、この上ない強みとなります。
さらに、プロフィール写真に写った人の活躍は、そのまま企業やブランドの活躍となるでしょう。
なお、ホームページなどに掲載された写真は、掲載期間が長くなるほど、企業のブランドイメージを体現するものになります。
②信頼が高まる
プロフィール写真をWEBサイトや広報ツールに掲載することで、仕事を担当するものの顔が分かるようになります。
戦略や企画設計がなく撮影されたプロフィール写真より、企業のイメージが伝わるブランディング写真であることで、企業ブランドとの一貫性もあることで信頼がおける人間であると多くの人に思ってもらいやすくなります。
さらにパーソナルブランディングが確立されると、企業の顔としても認識されるため言葉の信用度が増します。
そうすると、製造元や企業に対する不安が和らぐため、企業の製品やサービスを検討する人の増加が期待できるでしょう。
なお、ブランディングが成功している企業は、その信頼性が高く評価されます。
そのため、資金調達の面でも優位性が得られます。
③従業員満足度を高める
プロフィール写真として自分の顔が掲載されるということは、企業からの信頼を得ているということです。
信頼のできない人間の写真を、起業はホームページに掲載しません。
万が一トラブルがあった場合、その責任をとらなければならないからです。
社員は自分の顔が掲載されることで、会社からの信頼の高さが認識できます。
このことは社員満足度を高める要因となります。
また、ブランディングによって起業との一体感ができれば、従業員のモチベーションの改善が期待できます。
一体感のある企業は、業務のやりがいが感じやすく、自社愛が目覚めやすくなると言われているからです。
なお、ブランディングができている企業では、組織の末端までの意思統一がしやすく、ひとりひとりの行動にブレがうまれにくくなります。
④採用に繋がる
プロフィール写真をブランディング化することで、企業やブランドのイメージが的確に伝わりやすくなります。
企業やブランドイメージが浸透すると、就職希望先に自社が選択してもらえる確率が高まります。
就職先を探す時、待遇面と同じぐらいに重視されるのが、企業理念や社風です。
ブランディングされた写真はそれらを表現しているため、企業を選ぶ判断材料にする人が少なくありません。
また、ブランディングが進むほど、広く人員募集をかける必要性がなくなり、採用コストが低下します。
くわえて、社風を理解して採用試験を受ける者が増えるため、企業と就職希望者の間で、ミスマッチが起きにくくなります。
ブランディング写真を成功させるためのポイント
ブランディング写真を撮るためには、被写体となる社長や社員に、どのようなブランド性を付加するのかを考えなくてはなりません。
それにはまず、企業の目指すべきビジョンと、社長や社員に付加するブランドイメージを共通化する必要があります。
次に、訴求するべきターゲットを明確に定義しましょう。
理想的なターゲットは、どのような人や企業なのでしょうか。
年齢・性別・職業など細かく設定していき、人ならば絵にかけるほど明確に想定しましょう。
訴求するべきターゲットを狙っているのは、自社だけではないはずです。
ライバルとなる企業のリサーチも行います。
そして、想定したライバルとの差別化が図れるポイントや自分たちの利点は何なのかを明確にします。
最後に、ブランディングの目標を設定しましょう。
「売上を伸ばす」「一定の販売数を確保する」「企業の認知度を上げる」など、目標はなんでも構いません。
目標はブランドイメージの成長とともに変化していくものだからです。
これらのポイントを踏まえて、パーソナルブランドを定義したなら、そのビジョンを最適に表現できるプロフィール写真の撮影に移ります。
レンズ越しにビジョンが見えるように意識して、最高のブランディング写真を撮影しましょう。
プロフィール写真の選定ポイント
写真を選定する際には、次の点に注意してください。
まず、企業のブランドイメージとの一致を視覚的に図りましょう。
例えば、会社のブランドイメージのカラーが赤であるなら、プロフィール写真もどこかに赤を用いると一貫性が生まれます。
さらに、ロゴの入った制服など企業の名前が分かるものと一緒に撮影するのも、ブランドイメージと企業イメージの一体感を図るのによい手法です。
また、社長から社員まで写真に統一感を持たせることも重要なポイントです。
あまりチグハグな写真構成では、ブランドとしての印象を感じ難いからです。
統一感を出すために、写真のコンセプトが明確にわかる資料を作成しておくとよいでしょう。
プロフィール写真を工夫することで企業ブランドを成功に導こう
プロフィール写真をブランディングすることは、さまざまなメリットを生み出します。
プロフィール写真はたった1枚の写真にすぎません。
しかし、その可能性はとても大きなものです。
企業や社員の魅力を表現するオンリーワンな写真は、企業の成長をリードする大きな力となるでしょう。
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