ブランディングの3つ効果。コロナ禍における中小企業のブランドの作り方

ブランディングの3つ効果。コロナ禍における中小企業のブランドの作り方のイメージ

このコロナ禍で、大小問わず多くの企業が経営危機にさらされています。この先も市場で生き残り続けるため、様々な課題に取り組む必要性を感じている経営者の方も多くいらっしゃるでしょう。 その取り組みの一つとして、昨今注目を集めている「ブランディング」。ブランディングは競合他社との差別化を図るためのものと捉えられがちですが、実際ブランディングで得られる効果は、ターゲットや目的、そして取り組み方によって異なります。ブランディングを行っても思ったような効果が得られないという場合、ターゲットや目的が明確化されていない、もしくは目的に合った取り組みがされていないことが原因である可能性が高いです。つまり重要なのは、“誰(ターゲット)に対して差別化を図るのか”ということです。 そこで今回は、3つの目的別にブランディングがもたらす効果と、その効果を得るための取り組み方についてご紹介します。

価格競争から脱却できる

ブランディングには、自社商品・サービスが市場の価格競争から脱却できるという効果があります。これは顧客をターゲットとし、商品やサービスを対象としたブランディングによって実現できます。

まず顧客の購買行動から考えてみましょう。数ある商品の中から自分の希望に合った商品を探す際、その選択肢の多さからついつい最も安価なものを選択するという顧客は少なくありません。そのためブランディングが行われていない商品やサービスは価格面でしか勝負できず、価格競争の波に飲まれるしかなくなってしまうのです。

しかし、ブランディングによって商品やサービス価格以外の付加価値――例えば機能的、実用的といった強みや込められた想いが伝われば、顧客はその特徴から商品やサービスを選択します。 特にこのコロナ禍による経済の低迷で消費者の使えるお金は限定され、「無駄なものは買わない」「良いものを見極めて購入したい」など、消費者は合理的な購買志向になりつつあります。

また外出を控えるようになったことでインターネット上で買い物をする消費者が増え、中間マージンのかからない自社サイトで購入する消費者も増えています。自社サイトはブランドの世界観を伝えやすく、顧客へのブランディングには非常に良い場所です。ぜひ活用しましょう。

売り上げの向上が見込める

2つ目のブランディング効果は、売り上げの向上です。これは1つ目の効果にも似ていますが、ここでのターゲットは顧客あるいは市場全体、対象は企業そのもののブランディングとなります。 企業のブランド力を高めると、顧客は企業の想いや姿勢を評価し始め「この商品が好き」から「この企業が好き」という思考に変化します。ファンの誕生です。ファンは「同じような商品なら、このブランドのものを買おう」と企業の商品全体を支持するようになり、売り上げ向上に繋がるのです。 またブランディングによって生み出された企業の独自性は、市場で他社と戦うことなく売り上げを生み出します。独自の世界観というブランド力に魅了されたファンが一定数いれば、宣伝や営業を行わずとも利用し続けてくれるというものです。つまり、継続的に売り上げを出し続けることができるのです。

社員モチベーションの向上

3つ目の効果として、ブランディングには働く社員のモチベーションを向上させる効果があります。この場合のターゲットは社員。ブランディングの対象は商品や企業そのものにもなりますが、最も重要なのは経営理念や働きがい、働き方といった労働環境となるでしょう。

まず経営理念や働きがいが社員に浸透すれば、仕事のモチベーション向上に繋がることはもちろん、社員同士がそれらを共有することで企業に一体感が生まれ、組織力の強化にも繋がります。更には離職率を抑えることもできるでしょう。 またこのブランディングがもたらす効果は、就活生や求職者の採用にも及びます。

強いブランド力を持つ大企業に比べ、中小企業は優秀な人材の確保が難しいことは否めません。しかし、ブランディングを行えば就活生や求職者の企業イメージをアップさせることができ、認知度を高め募集効率を上げることもできます。多くの人が応募してくれれば、それだけ優秀な人材に出会える確率も上がり、採用もしやすくなります。 特にウィズコロナが叫ばれる昨今、従来の対面面接が制限されるなど企業の採用活動は非常に困難を極めています。企業理念や働きがいの発信というブランディングをしっかり行うことによって、就活生や求職者自身も自分と企業の相性を見極めることができ、ミスマッチの防止、採用効率の向上にも繋がるでしょう。