ブランドロイヤルティを高めるCRMのあり方

ブランドロイヤルティを高めるCRMのあり方のイメージ

お客様の属性や対応履歴を管理していますか?顧客管理データは活用次第でブランドロイヤルティを高めるための施策を打つための良いデータになります。今回はブランドロイヤルティを高めるCRMのあり方について解説します。

ブランドロイヤルティの高め方とは?

まず、ブランドロイヤルティとその高め方について具体例を用いて説明します。

  (1)ブランドロイヤルティとは

「ブランドロイヤルティ」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?
ロイヤルティ(ロイヤリティともいう)は、「忠誠心」と訳されることが多い言葉です。つまり「ブランドロイヤルティ」とは「特定のブランドに対する忠誠や愛着」を意味します。
身近な例だと、「コシヒカリ」や「ササニシキ」「ひとめぼれ」など、自分が食べるお米の銘柄を決めているというような方も多いのではないでしょうか。

また、最近ですと、航空会社のマイレージのランクを上げるためだけに飛行機に何度も乗る「修行」という行動が話題となりました。
ランクを上げることで、専用ラウンジ利用や優先搭乗といった上級顧客向けのサービスを受けることを目的としています。
「必ずこの銘柄を買う」「サービスを受けるために商品を購入する」これらは、いずれもブランドロイヤルティが高い方の行動です。

  (2)ブランドロイヤルティを高めるためには

ブランドロイヤルティを高めることで、顧客はそのブランド・サービスを買い続けるリピーター/ヘビーユーザーになってくれます。
ブランドロイヤリティを高めるには、商品・サービスの質を保ち続けることが最も重要です。
先ほどの例だと、お米の銘柄を買い続けるのは「美味しい」という質が担保されているからですよね。

さらに、きめ細かな顧客サポート、ポイントプログラムや会員制のキャンペーン、コミュニティなどのコンテンツも求められます。
航空会社のマイレージ会員のように、ポイントプログラムのメリットを得るためにブランドロイヤルティが高い人の行動を取るということがあるからです。

ブランドロイヤルティを高めるCRM施策とは

ブランドロイヤルティを高めるためには、ヘビーユーザーになる顧客層を見極め、自社の強みをアピールし、関係の強化を図る必要があります。
そのために用いられる施策の一つが「CRM」です。

  (1)CRMとは?

CRMとは「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント」の略称。
顧客情報を活用することによって顧客満足度を高めることで、顧客と良好なコミュニケーションを構築するためのマネジメントの考え方です。

CRMの目的は、顧客1人の生涯における売上・LTV(ライフタイムバリュー)を最大化すること。一生涯にわたり、ブランドのファンでいてくれる人が増えれば、それだけ売上が拡大し、収益性が向上します。
そのためには、顧客情報を一元化できるツールが必要です。そこで、顧客情報や対応履歴を管理するシステムを差してCRMと呼ぶこともあります。

  (2)CRMを活用したRFM分析によるセグメンテーション

CRMでは「顧客がいつどこで何を買った」「顧客がこういう要望をしてきた」というデータの蓄積に基づき、顧客をセグメンテーション(同じ性質やニーズを持つ層に分けること)します。

よく用いられるのが、RFM分析という手法です。
・R(Recency/最新購入日・最後に購入してからどのくらいの期間あいているか)
・F(Frequency/購入頻度・これまでに何回購入したか)
・M(Monetary/累計購入金額)

という、3つの指標を組み合わせて分析することで、優良顧客や対策を打つべき顧客を見つけ出します。

  (3)顧客セグメント別のアプローチとは

ブランドロイヤルティが高い顧客は、F(購入頻度)もM(累計購入金額)も高く、R(最新購入日)も割と近い日付であるということになります。
F(購入頻度)もM(累計購入金額)も高いのに、R(最新購入日)が低い、つまりずっと前に購入したきりという顧客層がいたらどうでしょうか。
最終の購入日以降に何かあったと考えるのが普通でしょう。
遠方に引っ越したり、顧客の年齢が上がって環境が変わったりしたことで提供している商品・サービスが不要になったということがあるかもしれません。
このような場合は、通販サイトがあれば紹介したり、新たな商品・サービスの案内をしたりなどといった施策を行うことができます。
あるいは、その時点で何か不満を持たれているのかもしれません。そのようなときは、商品の変更やクレーム対応履歴などを振り返ってみることも重要です。

逆に、R(最新購入日)が高く、F(購入頻度)もM(累計購入金額)も低い場合は、新規顧客であることが考えられます。
新規顧客に向けては、再購入を促すような「新しいお客様向けのサービス」などを打ち出すなど、自社の製品・サービスの良さを体験していただける機会を増やすことで、ブランドロイヤルティの確立に努めましょう。

まとめ

今回は、ブランドロイヤルティを高めるCRMのあり方について解説しました。
ブランドロイヤルティを高めるためには、顧客とのコミュニケーションを深め、顧客の期待を上回る製品・サービスそれらに付随する「顧客体験」を高める努力も必要です。
それぞれのセグメントに最適なサービスを提供するために、CRMを活用した施策を打つことは、マーケティング戦略においてとても重要な考え方ですので、じっくりと取り組んでいきましょう。