ブランディングでファンづくりを加速させる方法とは?

ブランディングでファンづくりを加速させる方法とは?のイメージ

ブランディングがうまくいくと、お客様が「ファン」となる現象が生じます。ファンとなったお客様は、自分が購入するだけでなく、その企業の良さを周りに自発的にアピールしてくれる存在となります。
ファンが増えれば増えるほど、ファンを喜ばせる=売上につながるという好循環が生まれるのです。今回はファン作りを加速させるブランディングについて解説します。

ファンづくりに欠かせないブランディング

企業のファン作りを考える時、着目したいのがその企業のブランディングです。

1)ブランディングといえばApple
例えば、Apple社は世界的なブランディング化に成功している企業の一つ。
Apple社がiPhoneMacBookの新作を出せば、今持っているものがまだ十分使える状況でも新たに買う人は多いです。新作発表会では、Appleストアの前には多くの人が並び、新しい機器のスペックや使い心地などを、詳細にレビューするTweetやブログなどがどんどんアップされます。
Appleが全世界にファンを獲得したのはなぜでしょうか?そこにはAppleの製品を持つことが「進んでいる」「かっこいい」と思わせるような、Appleならではの徹底的なブランディング戦略があったからです。

2)自分が「ファン」である対象について考えてみよう
Appleでなくても、あなたが「自分はここのファンだ」と思える商品やサービス、企業やアイドルなどなんでも思い浮かべてみてください。
自分は何に惹かれてファンになったかを考えてみましょう。
・どうして、近い方の店ではなく、遠くても「あの店」にいってしまうのか?
・どうして、安い方の商品ではなく、ちょっと高くても「あの商品」を手に取るのか?
そこには、ブランドに絆や愛着を感じ、共感できるようなストーリーやコンセプトがあるはずです。
顧客に認知と関心、信頼、共感を経て、自社のファンになってもらうには、ただ闇雲にPRすればいいわけではありません。戦略的なブランディングが必要となります。

デジタル広告やSNSでファンづくりをするポイントと注意点

ブランディングについて、近年効果的に使われているのがデジタル広告とSNSです。

1)デジタル広告・SNSでターゲット層に効果的な施策を探ろう
リアルタイムで効果が測定できるデジタル広告は、効果に応じて配信内容や予算の最適化ができます。また、SNSは顧客であるユーザーとの距離が近く、ダイレクトに反応が返ってくるため、常に相手の反応をみて施策を打つことが可能です。
ブランドストーリーや商品解説の舞台裏を語るというように、デジタル広告そのものについてSNSで解説してストーリーを広げていくといった使い方もできます。
デジタル広告もSNSも、顧客ターゲット層に向けて、どのような情報提供が「刺さる」のかを、より簡単に試行錯誤できる場でもあるのです。結果をチェックすると、意外な客層に自社が支持されていたということもあります。

2)自分たちのお客様を知る機会を増やそう
最近のPR案件では、漫画家などが商品の使い心地をレビューするような、ユーザー目線に近い広告も作られるようになりました。
SNSでは、アンケートや質問箱など、様々な施策で双方向のコミュニケーションを取ることで、自分たちのお客様を知る機会を増やすことも可能です。
例えば「親しみの持てる企業としてのブランド」を築きたい場合を考えてみましょう。コンテンツの発信だけでなく、リプライされたユーザーとのコミュニケーションで、友人や知人のような関係性を作り、ファン化に導くという流れを作ることもできます。

3)デジタル広告・SNS活用の注意点
しかし最近では、個人的なレビューを広告代理店の依頼で書かせる「ステルスマーケティング(やらせ)」が発覚して問題となったり、企業アカウントの担当者(いわゆる「中の人」)が、アカウント運用を私物化し、無神経な投稿で炎上したりというケースがたびたび見られるようになりました。
デジタル広告やSNSでのブランディングについては、あくまで「企業」としてのスタンスは守ることがポイント。コンプライアンスを含め、社内でのチェック体制を整えることも必要です。広告やSNSは、ウケ狙いではなく、あくまでブランディングのために行っているということを忘れないでください。

集客できるファンづくりとは

ファンの多い企業というのは、そのファンたちが企業や商品・サービスを応援できるように場所を用意していることが多いです。

1SNSのフォロワーをファンにするメリット
例えば、SNSは企業側からの情報発信だけでなく、アカウントをフォローすることで応援の意を表わすことができます。
フォロワーたちは単に「見込み客リスト」ではありません。彼らが企業のファンとなれば、他の潜在顧客に対して積極的に情報発信&拡散を行ってくれるからです。
ともすれば新規顧客の獲得に目が行きがちですが、大事にすべきはまずは上位顧客。彼らは今の時点で単なるリピーターかもしれません。しかしすでに商品やサービスを何度も体験しています。「ファン」になってもらうのに最も近い場所にいる人たちです。

2)いちばんファンに近い「上位顧客」に注目
企業の売上の8割は、上位顧客の2割が作っているといいます。
つまり、かれらの満足度を高めることで、より多くの購入機会を作れば、そのまま売上アップにつながるのです。
さらに、ファンは、自主的に「自分の言葉」で企業の良いイメージを発信してくれます。一時期「インフルエンサーマーケティング」という、フォロワーの多い人が宣伝する手法がはやりましたが、人が一番信頼するのは、遠くのインフルエンサーよりも身近な家族や友人からの確かな口コミです。ファンが語る内容には、宣伝にはない真実味があります。それを目にした新規顧客が増えるという副次効果もあるのです。

まずは、自社の上位顧客になっている人たちを分析し、彼らに対してどのような商品やサービスを求めているかを徹底的に調査しましょう。ファンメンバーが集まる場を設けて、その意見を聞いてみましょう。すでに上位顧客となっている人であれば、企業が「あなたの意見を聞きたい」という姿勢を示すことに悪い気はしないでしょう。
顧客に寄り添って、かゆいところに手が届くような商品・サービスを打ち出すことが、顧客のファン化、ひいてはこれからの集客につながります。
インターネットやSNSの活用で、顧客とのコンタクトもぐっと簡単になった今、ぜひファン作りを目指してみましょう。