合言葉はサステナビリティ!SDGsとESGの違いとは?

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最近よく耳にするSDGs同様、合わせて聞くようになったESGという言葉。ESGも企業規模に関わらず、経営者たちにとって重要なキーワードといえます。
『中小企業の弊社も、最近よく聞くSDGsやESGを取り入れたいが、そもそもどんな違いがあるのか』
——そんな疑問を解決するべく、今回はSDGsとESGの違いやESGの重要性について、ご紹介いたします。

SDGsとESGの違い

まずはSDGsとESGの違いについて解説いたします。
SDGs(エスディージーエス)とは、Sustainable Development Goalsの略。持続可能な開発目標のことを指します。
2015年、国連で開催されたサミットで国連加盟193カ国が合意、採択された2016年〜2030年の15年間で達成すべき世界共通の目標です。

一方でESG(イーエスジー)とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字をとった言葉で、環境・社会・企業統治の観点から企業が持続的に成長できるかどうか企業価値を判断する指標のこと。昨今は投資家が投資する企業を決定する際に注目している3つの要素です。
企業は利益を生み出すだけでなく、事業を通じて社会貢献していくことが重要視されるようになってきたということです。
また、この3つの要素は具体的に下記のようなことを示しています。

  • E(Environment/環境)
    企業が活動していく上で、地球環境に配慮した取り組みを行うことです。
    有害物質の排出量を減らす、省エネに努める、クールビズ・ウォームビスもこの指標に含まれます。
  • S(Social/社会)
    労働条件の改善、ダイバーシティ促進、あらゆるジェンダーに対し平等で個々を尊重することなど、組織内外で社会的な配慮に貢献することを指します。
  • G(Governance/企業統治)
    企業の透明性、ガバナンスを指します。法令遵守や情報開示、さらには不正・不祥事の回避などリスク管理の意識など。

投資を呼び込むESGの重要性

投資家たちも注目し始めているESGですが、なぜ企業にとって重要で、導入にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

「信頼できる企業」としてブランディングができる

SDGsの持続可能な開発目標と、ESGの指標は重なっている部分があり、ESGに対応した運営を行っていくことで、社会全体の目標であるSDGsに取り組むことができます。そのため、自然環境や人権問題などの解決を目指しているクリーンな企業であることがアピールでき、世の中に良いイメージを与えることができるメリットがあります。

キャッシュフローが拡大する

先ほども触れた通り、多くの投資家が注目しているESG。ESGに対応した経営を評価する風潮は、これからもっと顕著なものとなっていきます。株主が増えれば企業のキャッシュフローが拡大し、より細部にまでこだわった運営をしていくことも可能となるでしょう。

ESGへの取り組みは、企業にプラスの効果をもたらすことがわかってきました。実際に導入されているESGの具体的な取り組みをいくつかご紹介します。

 ■銀行の取り組み
全国のATMを新モデルに変更したことで、年間約10000トンのCO2排出量を削減に成功。利用されない時間帯は省エネモードに切り替わる最新技術を導入し、消費電力も約40%削減しています。新モデルに切り替えるには莫大な費用が必要になりますが、環境に配慮したSDGsを意識した取り組みです。

 ■住宅メーカーの取り組み
森林保全の一環で植樹活動と、定期的な管理を行い、次の世代に豊かな森を伝えていく取り組みを行っています。
地域の方々との交流の場ともなっており、地域貢献にも一役かっています。

 ■コーヒーショップの取り組み
海の生物を傷つけると問題になったプラスチック製ストローの使用を廃止、環境にやさしい紙製ストローを導入しました。
万が一海に流れてしまっても溶けてなくなり、海の生態系に影響を及ぼさない素材に変更しました。

SDGsとESGを意識して企業価値を上げよう

SDGsは、世界を取り巻くさまざまな問題の解決に向けて世界全体で取り組む共通の目標であるのに対し、
ESGはSDGsに取り組み、企業価値を高めている企業を評価する指標といえるでしょう。
持続可能な世界を実現するためのサスティナビリティに取り組むには、SDGs、ESGどちらも重要だということが伺えます。

  • SDGs
    持続可能な開発目標を立て、実行していき、世界全体の目標達成に貢献していくことで、企業価値を高めることができます。
    企業に限らず、個人でも取り組める地球全体の目標です。
  • ESG
    企業の評価を左右するESGですが、ステークホルダーの期待を見極め、適切な組織体制の構築、および透明性の高い情報開示をしていくことは欠かせません。
    ダイバーシティに配慮して女性社員の育成・管理職登用などもESGの取り組みといえます。

今年、世界全体を混乱の渦に陥れたコロナウイルスは、地球温暖化が原因ではないかとの説もあります。
企業や組織が環境に配慮した取り組みは、今後ますます注目され、SDGs・ESGの重要性はより一層高まっていくでしょう。