一目で企業の強みを伝えるビジュアルブランディングとは?

一目で企業の強みを伝えるビジュアルブランディングとは?のイメージ

ビジネスの世界では、商品・サービスのクオリティが高くてもなかなか現実的な数字につながらない一面があります。
そこで、注目されるのが企業のビジュアルブランディングです。
ビジュアルブランディングとは、視覚に訴えるブランディングのこと。

限られた時間の中で、企業の理念や強みを的確に伝えるためには創意工夫が必要です。
コピーライティングだけではなく、統一されたビジュアルイメージを加えることで
ユーザーやステークホルダーに瞬時にアピールを行うことができます。

企業の想いとブランド戦略に基づくビジュアルイメージは、ユーザーの心を掴み記憶に刻まれます。
この記事ではビジュアルブランディングを確立する意義やメリット、効果的に実践するためのノウハウを説明していきます。

 


 

ビジュアルブランディングとは

ビジュアルブランディングとは

ビジュアルブランディングとは、企業独自の理念や強みを、一貫した視覚イメージのもと発信することです
通常、自社をPRするには説得力のあるプレゼンを行うのが最適というイメージがあります。
もちろん、言葉は相手にきめ細かな情報を伝え、より理解を深めてもらうには最適です。

しかし、言葉で伝える情報は時間の経過と共に忘れられやすい一面もあります。
そこで、抽象的でありながらも相手にインパクトを残すには、ビジュアルイメージで訴えかけるという方法は欠かせません。
さらに、ビジュアルイメージは言葉で語られる企業理念や個性と結びつき、言葉と視覚の相乗効果によりブランド力が高められるという効果も期待できます。

ビジュアルブランディングを行うことにより、認知が広まり「あの企業のことだ」とピンポイントで覚えてもらいやすくなります。
さらに、ビジュアルイメージが有する統一感・価値観に連動して、企業は一貫したメッセージを発信し続けることが可能です。
そのメッセージは、本当に必要としている人々に向けて効率よく届く結果となるでしょう。

ただし、ビジュアルブランディングがここまで重要な役割を果たせるのは、ビジュアルイメージがブランディングとして最適なものにデザインされていることが大前提です。
単なる視覚デザインと軽視するのではなく、企業理念や戦略と照らし合わせて入念に考案する必要があります。

ビジュアルアイデンティティ(VI)とは

ビジュアルアイデンティティ(VI)とは

ビジュアルアイデンティティ(VI)とは、ブランドの理念や特徴を反映した、ブランドロゴ、ブランドカラー・サブカラー、指定書体などのデザイン要素一式、またそれらを一貫した世界観をもって展開していくさまを指します。
それではビジュアルブランディングを単なる自己満足ではなく、ビジネス戦略として成功させる秘訣は何でしょうか。
最重要のポイントはビジュアルアイデンティティ(VI)を確立し、それを広報活動で効果的に反映・実践していくという点です。

VIは決して見た目の芸術性や私的好みで決められるべきものではなく、企業の理念やブランドイメージを起点に体系立ててビジュアル化されていくべきものです。
そして、決定したビジュアルイメージをビジネス展開するに当たっては、店員の服装や店舗内装・BGM、POPやネット広告のデザインなども統一した印象を周囲に残すものでなければなりません。
質の高いデザインができて満足して終わるのではなく、完成したビジュアルを目にした人々にどんな印象やメッセージ性が残るだろうかといった視点を忘れないようにしましょう。

 

ビジュアルブランディングで得られる4つのメリット

それでは、ビジュアルブランディングで得られる主なメリットを4つにまとめます。

ブランドの強みを瞬時に効率的に伝えることができる

ブランドの強みを伝える方法として、文章を読んでもらったり、説明を聞いてもらったりする方法があります。
細かい情報まで伝わりそうですが、ある程度の時間を要するうえ、読者・聞き手の集中力がどの程度持つのか、与えた情報量が十分伝わっているのかわからないなど問題点が生じるのも確かです。
その点、ビジュアルイメージなら望まずとも自然と目に入ってくるものです。
視界に入ったほんの数秒で、どんなブランドなのか、その強みや特徴などを瞬時に相手に認知してもらうことができます。
顧客は限られた時間の中で取捨選択を行うため、そのスピード感は圧倒的な力となります。

 

ライバル企業との差別化ができる

飲食店、小売店、各種サービス店などどの分野であれ、分類上同等の業務を行っている場合は、店名や商品・サービス名が似通ってしまうのは避けようがありません。
ネーミングが似ているがゆえに、商品やサービスにせっかく好印象を抱いた新規顧客でも、どこの店舗や企業だったか忘れてしまうということも十分起こり得ます。
しかし、ブランド独自の理念をロジカルに落とし込んだVIが確立できていれば、唯一無二の存在感を放ち、同業他社との差別化も容易に実現できるでしょう。

先述したように、脳の機能は文字を扱うより画像処理の方が適しています。
言葉としての記憶は曖昧でも、デザインならよく覚えているというパターンが大いに期待できるのです。

統一感があることで信頼感を高める

統一感があることで信頼感を高める

ブランドデザインの統一感は、ユーザー認知度の向上と他社との差別化に貢献するばかりか、ブランドへの信頼感を高めてくれるメリットがあります。
ブランドロゴなど最も基盤となるデザインをベースに、制服や店舗デザイン、制作・製造物に統一性を持たせることで、ブランドから受け取る印象が常に一定となり、商品やサービスへの信頼感や安心感につながっていきます。

例えば、カフェなどの飲食店が、食事とは直接関わりのない日用雑貨やTシャツを販売しているケースを見かけることがあります。
一見、そうしたグッズをわざわざ販売すること自体、疑問に感じられるかもしれません。
しかし、各々のグッズは飲食店のイメージカラーやロゴマークをベースにした、統一感のある配色やデザインでプロデュースされています。

そうすることで、飲食店の食事や店内の雰囲気を気に入っているリピーターは、雑貨や小物に反映されたブランドイメージに信頼感や魅力を感じ、購買意欲をかき立てられていくのです。

 

パーソナリティを表現することができる

ビジュアルブランディングの良さは、企業・ブランドのパーソナリティを簡潔に表現できるという一面にもあります。
通常、口頭で顧客に何かを伝えようとする場面では、商品やサービスの質やコストを伝えるのが精一杯で、時間に余裕があるケースを除いてはなかなかブランドのパーソナリティまでは話が回らないでしょう。
その点、VIが的確に落とし込めていれば、ロゴマークや店舗、ウェブサイトなどを目にしただけで瞬間的に顧客にブランドのパーソナリティを伝えることができます。

例えば、顧客が、恋人とのデートで利用する高級感があり落ち着いた雰囲気のレストランを探していたとします。
もし、公式サイトを開いたトップページのデザインが、落ち着いた色合いと文字体で表現されていたならば、それだけで「自分の求める店と近い」と考え、より詳しいレストラン情報を閲覧しようとするはずです。
逆に、子供が好みそうなカラフルデザインのWEBサイトを開いたならば「探している店とは違う」と大まかに理解するでしょう。

このように顧客は、ビジュアルブランディングによりそのパーソナリティを判断し、店舗や企業選びに役立てることもあるのです。

 

効果的なビジュアルブランディングのために意識すること

効果的なビジュアルブランディングを実現するために、意識すべきポイントを順に整理していきましょう。

 

「誰に伝えるか」ターゲットを明確にする

「誰に伝えるか」ターゲットを明確にする

一般的なブランディングでも共通していますが、ビジュアルイメージのデザインに取り掛かる前段階で、最優先で伝えたいターゲットをどんな層に絞るのかを明確にしておくべきです。
なぜなら、このターゲットの設定によって、どういった方向性でデザインするか大枠が定まってくるからです。
男性か女性か、年齢層は高いのか低いのかによって、多少の例外はあるにせよ注目を集めやすいデザイン、好まれるデザインのタイプが浮かび上がってきます。
また、同業他社との差別化を意識したペルソナを考察することで、商品を必要としている潜在ユーザーにも情報を届けることができます。

 

「何を伝えたいか」強みを明確にする

「何を伝えたいか」強みを明確にする

ビジュアルブランディングを効果的に行うには、企業独自の個性、特に強みを視覚的に伝えられるようにすることが非常に重要です。
そのためには、具体的なデザインに入る前に今一度、同業他社には負けない強みは何なのか念入りに検討を重ねる必要があるでしょう。
また、主な顧客層が企業やブランドに抱いている一般的なイメージを再検討するのも役立ちます。

例として多少値段は高くても、品質の良さが最大の強みのブランドの場合。
そうした高級感や品質へのこだわりが、大勢の人から見て瞬時に感じられるビジュアルとなるようデザインの方向性を定めなければなりません。

 

「どこで伝えるか」ターゲットに伝える場を考える

「どこで伝えるか」ターゲットに伝える場を考える

考察ポイントとして忘れてならないのは、どういった場所や場面で伝えればブランディング効果を最大化できるのかという点です。
ターゲットに伝えるのに最適な場所は、ターゲットに定めた顧客層の有する特徴と表裏一体の関係にあります。
もし、ターゲットの年齢層が高いならば、ネット広告を見る確率は低く、テレビや新聞のような媒体の方がよほど成果が見込めるでしょう。

ネットを多用する世代をターゲットにする場合でも、男女別や年齢によって好んで利用する媒体は異なっているはずです。
ターゲットの特性によっては、WEB広告の中でもSNS上の広告を多用するのが、最も効果が表れるというケースも考えられます。

 

「どう伝えるか」ブランディングをビジュアル化する

「どう伝えるか」ブランディングをビジュアル化する

ブランディングを具体的にビジュアル化する段階では先述したように、ターゲットの顧客層と企業ブランドの個性・強みをベースにビジュアルイメージへと落とし込みます。
作業がだんだんと細分化し具体性を増す過程で注意しなければならないのが、デザインの統一性が決してぶれないようにするという点です。

仮に、予算を重点的に広告費に当て、リードの目に触れる機会が明らかに増加したとしても、統一性が欠けているだけで、様々な場面で視界に入った断片的な情報が同一ブランドとしてつながらない恐れがあります。
単に、情報が行き渡ればいいのではなく、背後にある企業理念やメッセージがターゲットに到達して初めて、本来のビジュアルブランディングの効果が生まれるのです。

 

伝えたいメッセージを高精度で伝えるためのビジュアルブランディング

様々な企業が、独自のビジュアルデザインに基づいて実践しているビジュアルブランディングですが、決して「綺麗なデザインだから選ぼう」と純粋にデザイン性の評価だけでロゴマークやブランドカラーを決定しているわけではありません。
そのビジュアルの背景には、目指すべきターゲットの姿、企業の誇る強みなどが、論理性を伴って刻まれているということです。

「本質を見極めて届けたい想いを形にする」
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